2020年9月1日火曜日

日本経済新聞 がん社会を診るから 格差問題はわが国でも問題になっていますが、がんの罹患(りかん)率や死亡率も、学歴や収入に大きく影響されることが分かっています。 米国人1万人以上の分析では、教育年数が16年以上の人と比べ、11年以下の人では、がんになる率は2割近く高くなりました。 子宮頸(けい)がんや男性の肺がんでは約3倍と、がんの種類によっては、学歴により、非常に大きな格 差がついていました。 21ヵ国の疫学データを分析した結果、社会・経済的な地位が低い層で多いがんは、男性の肺がん、喉頭がん、口腔(こうくう)がん、咽頭がん、男女問わず、食道がん、胃がん、女性の子宮頸がんでした。 いずれもたばこが発症リスクとなるがんです。 所得が低いほど喫煙率が上がることと関係していると思います。 日本人約1万5000人を対象とした調査研究の結果でも、65歳以上の高齢男性については、所得が200万円未満の人のがん死亡リスクは、所得が400万円以上の人に比べ約2倍にもなることが分かりました。 また、教育年数が6~9年の高齢男性は、13年以上の人と比べて、がん死亡のリスクは1.5倍近くに なりました。 所得や学歴が高い男性では健康意識も高く、生活習慣もよくなるためだと考えられます。 しかし、女性については、収入や教育の格差による死亡リスクの違いは見られませんでした。 日本人の女性の場合、喫煙率ももともと低く、男性に比べて、社会的・経済的立場の差による生活習慣の乱れが生じにくいことが背景にあると思います。 女性の平均寿命が男性より6歳も長い理由もここにありそうで、男性でも、生活習をよくすることで、格差を克服できる可能性があるということです。 日本ほどすべての国民が医療を受けれる国は世界中を見ても本当に少ないです。 すべての基本ともいえる健康を守るために、この分野は格差社会にはなってほしくないと説に思いますね。