日本人の食事が理想的だった1975年の和食 「NHKきょうの健康」から
その5つのポイント「①多様な食材」「②卵や大豆などの食材」「だし」「④調理法」「⑤一汁三莱」
みそは体によい発酵性大豆食品です。
みそには、高血圧や動脈硬化の予防に役立つ働きがあるポリフェノールなどが豊富です。
国立がん研究センーターは昨年、みそなど発酵性大豆食品の摂取量が多いグループで、高血圧の症リスクが低下したという研究を報告しています。
「みそ汁は塩分が心配」という人は多いと思いますが、みそ汁塩分を減らしたければ具だくさんにすること、そして、75年の和食の3つ目のポイント「だし」をしっかりとることをお勧めします。
だしの香りによって、塩分が少なくても旨味が感じられるようになります。
4つ目のポイントは、「調理法」です。
75年当時の調理法を調べると、野菜や魚を水やだしで煮る調理法が圧倒的に多いのです。
高温の油で炒めたり揚げたりするより、煮るほうが食材の有効成分を消失しにくいのです。
また、日本人は長年あまり油を摂らない食事をしてきたため、体が油に慣れていないともいえます。煮る・ゆでる・蒸す・焼くといった調理法で、油の使用を減らしたいものです。
5つ目のポイントは、「一汁三菜」です。ご飯とみそ汁をメニューの中心に据えることで、さまざまなおかずを献立に組み込みやすくなります。
特に高齢者は、たんぱく質などの栄養素が不足しがちなので、魚や肉を意識して食べたいところです。
ただ、年齢を重ねると活動量は落ちていきますから、ご飯は控えめにしてください。
その分、食後や小腹がすいたときには、栄養価の高い果物をお勧めします。果糖を気にする人もいますが、みかん1日15個、りんご1日10個など大量に食べなければ大丈夫です。
この5つのポイントに加え、75年の和食は、それ以前より適度に欧米化していたことにも注目です。体に合った海外のメニューを取り入れると、食事が楽しくなります。ヨーロッパでは、ク地中海食″が長寿食としてよく取り上げられます。地中海食を日本人の食卓にうまく取り入れるとしたら、何を食べるのがよいでしょうか。オリーブオイルの新鮮なものをサラダにかけたり、精製されていない全粒粉の穀物やバン、あるいはトマトを意識して食べるのもよいでしょう。
おやつ代わりにナッツもいいと思います。やや油分が多くエネルギーも高めですが、ビタミンEが豊富です。
ただ、地中海食が万能というわけではありません。例えば、国によつてもイタリアやスペインでは地中海食の健康効果が認められるが、イギリスなどではさほど効果が出なかったという調査結果もあります。また、私たちは75年の和食と地中海食とをマウスを使って比較しましたが、和食のほうがよい結果でした。「75年の和食の5つのポイント」を意識して、和食を基本に、海外のメニューなどでもよいものは取しり入れていってください。
昔は、今ほどアレルギーやアトピーの方は多くなく、その一つの要因が食べ物だと考えられます。
変えていくみのは変えて、大切にしていくものは大切にしたいですね。