日経新聞 「がん社会を診る」から
欧米の調査では、長く座っていると、がんが増えるだけでなく、死亡率そのものが高まることが分かっています。
1日に座っている時間が4時間未満の成人と比べ、11時間以上座っている人は死亡リスクが40%も高まるとされています
オーストラリアなどの研究では、日本人が平日に座っている時間は1日7時間と、調査対象の20ヵ国中、最長でした。
日本でも、仕事中に長時間座っていると、発がんが増えるという研究結果が出ています。
国立がん研究センターの研究グループは、50~74歳の約3万3000人を追跡調査した結果、座ったまま仕事をすることが多い男性では膵臓がんが、女性では肺がんが有意に増加することが確認されました。
運動をしても、座っている時間が長いと、がんが増え、死亡率も高くなるというデータがあります。
座っていることのリスクは運動不足だけでは説明できそうもありません。
「座りすぎ」と「運動不足」は別の問題と考えたほうが良さそうです。
長時間、脚を動かさずに同じ姿勢のままでいること自体が健康によくない可能性があります。
おススメなのが、「貧乏ゆすり」です。
ネーミングが悪い。「健康ゆすり」と呼び名を変えてほしいと思います。
がんで亡くなった268人を、座る時間の長さで比較したところ、最も長いグループは最も短いグループに比べて82%も死亡リスクが高いことが分かりました。
この研究では、座っている時間30分をウォーキングなど軽度な運動にあてることで、発がんリスクを8%下げることができるとしています。
さらに、中度の運動に置き換えれば3%ものリスク低下につながるといいます。
座りすぎはがんを増やすだけでなく、心にも悪影響を与えます。
1日12時間以上座っている人は、6時間未満の人と比べて、メンタルヘルスの悪い人が約3倍も多いという調査もあります。
座っている時間が長くなると、腰が痛くなりますね。
それだけではなく、心や体にも影響が・・
事務職の方では、仕事中はほぼ座ったまま仕事をしているということも多いと思います。
1時間仕事をしたら、少し休憩時間を入れて体を動かすだけでも、心身ともにリフレッシュできますね。