2021年6月1日火曜日

新型コロナウイルスにかかった後の、後遺症は?

                                             NHK今日の健康6月号から 新型コロナウイルス感染症が治ったあとも、後遺症に悩む人は数多くいます。 国立国際医療研究センターで、新型コロナ感染症で入院した患者さんを調査したところ、 76%もの人が何らかの後遺症を経験していました。 発症から2か月の時点では、呼吸困難感を18%の人が訴え、 それ以外では、倦怠感(16%)、嗅覚障害(16%)、咳(8%)、味覚障害(5%)と続いています。 また、新型コロナ感染症から回復したあとには、24%の人に脱毛が起こっています。 これらの後遺症は一つだけではなく、複数発症することがよくあります。 倦怠感 倦怠感の原因には多くの場合、新型コロナウイルスに感染して長く闘病したり、隔離されて孤独感を覚えたりしたために、 心身ともに疲れきってしまったという背景があります。 ただ、新型コロナ後遺症以外にも、何らかの病気が隠れていることも考えられます。 呼吸困難感(息苦しさ) まずは、新型コロナ感染症による肺炎や気管支炎が長引いているのか、 あるいは新たに肺炎や気管支炎を発症したのかなど、息苦しさの原因を見極めます。 具体的な方法としては、咳や痰のチェック、胸部エックス線検査やCT検査のほか、血液中の酸素飽和度を調べます。 新たな肺炎が起こっていなければ、咳止めの薬や痰をとる薬を処方し、経過をみます。 息苦しさは急性期によくみられる症状で、経過とともに改善し、長引く後遺症として困るケースはあまり多くありません。 脱毛 脱毛の程度はさまざまで、「浴槽の排水溝に詰まるほど髪の毛が抜ける」と訴える人もいます。 それほどの脱毛であれば、新型コロナウイルスが皮膚に直接影響している可能性も否定できません。 しかし、多くはストレス性の脱毛ではないかと考えています。 ほかの原因としては、甲状腺や副腎のホルモンの異常も考えられます。 新型コロナウイルスの影響でホルモンの異常が起こる可能性があるからです。 そのため、血液検査でホルモンの状態も調べます。 現在、新型コロナ後遺症で起こる脱毛には特効薬がないため、治療では皮膚科と連携し、通常の脱毛に使う薬を用います。 嗅覚障害。味覚障害 嗅覚障害は、その深刻さが本人にしかわからない部分が多く、個人差も大きいため、客観的判断が難しい症状です。 原因としては、新型コロナ感染症の影響で、鼻やのどの粘膜が荒れて、においや味がわからなくなり、 それが長引いていることが考えられます。 不安・抑うつ 診察のポイントは、症状を詳しく聞き、その背景に何があるのかを時間をかけて見極めていくことです。 心の不調を引き起こす原因の一つは、周囲の人の患者さんに対する認識です。 新型コロナ感染症を発症すると、冷たく厳しい日でみられて、つらい思いをすることもあります。感染者数が多い地域よりも、少ない地域のほうが、患者さんを特別な存在として捉えがちで、そのよう な状態が生じやすい傾向にあります。 また、新型コロナ感染症によって、仕事を休まざるをえないことや、後遺症が起こり職場復帰がままならないことも、 患者さんの精神状態に影響します。 強い焦りや孤立感を覚え、頭痛や不眠、倦怠感が生じた例もありました。 * * * 新型コロナ後遺症は、原因や治療法に関して未解明な部分がまだ多いのが現状ですね。 後遺症の実態もよくわかっていません。 新型コロナ後遺症を診療する医療機関は限られていますので、受診先をインターネットで探すほかにも、 信頼できるかかりつけ医などに相談してみるのもよい方法です。

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