2023年6月1日木曜日
いまあらためてのIPS細胞とは
幹細胞とはもともと体の中にあり、分裂して増殖しながら、ほかの種類の細胞を生み出すことのできる細胞です。
造血幹細胞、皮膚を作る上(じょう)皮(ひ)細胞、神経を作る神経幹細胞など、さまざまな種類があります。
IPS細胞とは日本語で、人工多様性幹細胞
多様性 血液の細胞や神経細胞をはじめ、あらゆる細胞になれる能力があります。
初期化とは細胞に多様性を持たせるには、受精卵が分裂していく初期の段階の「胎(たい)盤(ばん)胞(ほう)」の状態まで戻す必要があります。
いわば、細胞を“初期化”します。
特定の4種類の遺伝子を投入することで、細胞は初期化され、IPS細胞ができます。
こうしてできたIPS細胞に対して、それぞれ適切な物質を加えて刺激を与えると、増殖して血液の細胞や皮膚の細胞、神経細胞、心筋細胞などに誘導されていきます
IPS細胞はあらゆる細胞になれる夢のような細胞です。
まさにノーベル賞に値する大発見ですね。
2023年5月1日月曜日
基礎代謝量を上げるには。
基礎代謝とは生きているだけで消費するエネルギーのことです。
生きているだけで消費されるエネルギーであり、ヒトが1日に消費するエネルギー量の約60%にあたります。
基礎代謝は身体の各部位で行われており、もっとも基礎代謝量が多いのは筋肉で、基礎代謝総量の20%ほどを占めます。
つまり筋肉を増やせば基礎代謝量も増えるため、太りにくい体を作ることができるといえるのです。
また、基礎代謝量は加齢とともに減少します。
これは、筋肉などの除脂肪組織(脂肪以外の組織)が減少し、臓器の活動機能も低下するためです。
基礎代謝量を上げるには
筋肉量を増やす
筋肉は基礎代謝量の20%を消費する器官。
そのため、運動や筋肉トレーニングで筋肉量を増やせば基礎代謝量は多くなる。
体温を上げ血行をよくする
入浴やあたたかい食事の摂取、運動などで血行を促進し、体温を1度上げると、基礎代謝量が11~12%増加するといわれている。
深い呼吸をする
深い呼吸で酸素を多く取りこめば、エネルギー消費の効率が上がる。
また、腹式呼吸では横隔膜などのインナーマッスルを鍛えることもできる。
腸内環境を整える
腸内で善玉菌が生み出す短鎖脂肪酸により、腸のぜんどう運動や内臓全体の働きが活発になって、エネ
ルギー消費が増える。
正しい姿勢で過ごす
姿勢を正しくすると、正しい位置に戻った内臓の動きや働きがよくなり、血行も改善され、基礎代謝量が増える。
人体の基本 工藤 孝文著から
総エネルギー消費量の半分以上は基礎代謝量が占めます。
年齢とともに太りやすくなってしまう原因の一つに基礎代謝量の減少があります。
無理は続かないので、無理せず基礎代謝量を上げる日常はその後に大きな差が生まれることになりますね。
2023年4月1日土曜日
がん検診はなぜ毎年受ける必要があるのか
がんは男性が生涯のうちに3人に1人、女性が2人に1人かかる身近な病気になっています。
ただ、命にかかわる病気なので簡単にとらえることはできません。
早期発見・早期治療が一番大切で、各健康診断が推奨されています。
がん細胞は最初に発生してから10~20年くらいで約1㎝の大きさになります。
1㎝くらいから発見されて、1㎝以下のがんの診断は現在の医学では難しくなっています。
早期がんは2㎝までのがんのことですが、2㎝までは症状が出ることはあまりありません。
1㎝のがんが2㎝までに大きくなるのには1~2年程度かかります。
現在の治療では2㎝までのあいだにがんを見つけることができれば、9割以上の完治ができます。
自覚症状がなくても毎年診断を受けることで、2つの分かれ道の行く末が大きく変わることになります。
2~3年ほっておくと、前は発見できなかったがんが、もう転移するほど大きくなってしまっていたということも考えられます。
転ばぬ先の杖の意識が大切ですね
2023年3月2日木曜日
加齢臭の原因物質は?
本内容から
加齢臭は皮脂成分が酸化することで発生し、中年以降の男女によくみられる体臭ですが、若くても体の酸化が進んでいる場合は発生する可能性があります。
主に腋や耳、首の後ろ、後頭部などに出やすいといわれ、自分ではなかなか気づきにくいのがやっかいなところです。
いちばんの原因と考えられているのが、皮脂腺の中にある「2-ノネナール」という物質。
加齢とともに増加する脂肪酸が体内の活性酸素と結びついて2-ノネナールに変化します。
体内と体外、両方から予防するのがよいとぃわれています。
体内からの予防には脂質を授りすぎないこと、アルコールを飲みすぎないことです。
脂質を多く摂取すると皮脂の分泌量が増加し、2-ノネナールが発生しやすくなります。
アルコールの飲みすぎは活性酸素を増やします。
体外からの予防はシャワーを浴びるだけでなく、40~ 42℃ の湯船にしっかりと浸かるのが有効。
入浴で汗をかくと汗腺内が掃除されます。
さらに臭いが出やすい部位をしっかり洗うと、臭いの解消が期待できます。
人の五感の中で一番働いているのは「目」ですが、人間以外の動物は「鼻」です。
自分の身を守るために欠かせないものだからです。
人も動物なので、異質なにおいを「危険」と判断してしまいます。
あまりにきれいに固執するのはちょっと思いますが、エチケットは大切にしたいですね。
2023年2月1日水曜日
年代別のがんの罹患率は
日本経済新聞 「がん社会を診る」から
日本人男性の場合、55歳までにがんを罹患(りかん)する確率は5%
65歳までには13%
75歳までには32%
85歳までには53%
生涯では65.5% 3人に2人
日本人は戦後しばらくは死亡原因の1位は心臓病でした。
現在でも外国では死亡原因の1位が心臓病の国はたくさんあります。
それだけ日本は医療が発展して、日本人が長生きする時代になったということでもあります。
人生100年時代とも言われ、まだいきいきと社会で活動中にもかかわらず、がんにかかってしまうこともあります。
昭和の初期の時代では、がんの中で胃がんが一番死亡率が高かったのですが、
現在ではステージⅠ(粘膜にとどまっている場合)では、99%以上の確率で助かります。
やはり早期発見と早期治療がとても大切になってきますね。
2022年12月30日金曜日
生活習慣とがんのリスクの関係について
日本人の死亡原因の1位は、長年にわたりがんですが、それだけ日本人は長生きしいているともいえます。
各部位のがんは、日頃の生活習慣と深い関係にあることがわかっています。
科学的な根拠が出されて、「確実」「ほぼ確実」「可能性あり」の3つで、リスク付けされています。
リスクのある生活習慣をしても、すぐにがんが発生するわけではないのですが、長年にわたると危険性は高まってきますね。
適度な運動は、大腸がんと乳がんのリスクを減らすとされていますが、それ以外にも血圧を下げる(血管を軟らかくする)
血糖値を下げる、運動器の維持に役立つ、善玉コレステロールを増やす、精神的にもよいなど、色々な効果もあります。
生活習慣病に対する病院薬は、薬で抑えることはできても病気を改善する薬ではないので、健康的に生活習慣を心がけたいですね。
肺がん 肝臓がん 胃がん 大腸がん 乳がん 食道がん
喫煙 確実↑ ほぼ確実↑ 確実↑ 可能性あり↑ 可能性あり↑ 確実↑
受動喫煙 確実↑ 可能性あり↑
飲酒 確実↑ ほぼ確実↑ 確実↑
肥満 ほぼ確実↑ ほぼ確実↑ 可能性あり↑
(BMI30以上)
確実(閉経後)
運動 ほぼ確実↓ 可能性あり↓
2022年12月1日木曜日
コロナウイルス薬(塩野義製薬)の効果は?
現在、行動制限が解除されて、第8波ともいえる状態に近づいています。
塩野義製薬のゾコーバが、軽症の患者にも服用できる薬として認可されました。
(これまでは、軽症者に服用できる薬はありませんでした)
ゾコーバは、塩野義が過去にコロナ感染の12症状の改善薬として申請しましたが、効果が認められないと認可されませんでした。
あらためて、疲労感・発熱・鼻水や鼻づまり、のどの痛み、咳のオミクロンに特徴的な5症状に絞って申請して、認可されました。
治験では、発症3日以内に服用すると、症状改善を約1日早める効果があると (個人的には劇的な効果は期待できないようですが・・)
高血圧薬や脂質異常症などの薬などを服用されている方は、併用できない薬が36種類あって、服用薬が多い中年以降の方は、服用範囲が限られることも。
国としては、コロナから3年目を迎え、いつまでもワクチン接種を続けるだけでなく、治療薬を出して沈静化のくさびを打ちたい・・
それも供給が滞らない国産でということもあるのではとも思います。
今後使用されて効果が確認されれば、今より広く供給されます。 (厚労省は塩野義と100万人の調達で合意しています)
効果が認められなければ、1年後に承認は取り消されます。
現在コロナ患者が増加に転じ、感染者で軽症の人は“自宅待機”になっています。
ゾコーバはもちろん医療機関でしか投与できないので、その部分をどうするのかの指針は出ていません。
コロナ対策の決定打とはならない可能性もあり、引き続き感染予防には注意が必要ですね。
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